キューバの世界遺産の最終回として次の2ヵ所の案内をいたします。

◆シエンフエゴスの都市歴史地区:キューバ中南部のカリブ海に面した港湾都市であるシエンフエゴスは、フランス系の移民によって19世紀前半に当時のスペインの領地に設立されました。

ここはサトウキビ、タバコ、コーヒーの取引きで繁栄、やがて町には新古典主義の優雅な建造物だけでなく、他の要素を加えたものが多く建造されていきました。

都市は格子状の街路に整然と建造物が並べられています。 19世紀に造られた建造物としては、政府宮殿(市庁舎)、フェレール宮殿、サン・ロレンソ学校などがあり、現在も当時の様子を残す建造物が多く残っています。

またホセ・マルティ公園にはキューバで唯一の凱旋門があります。

◆カマグエイ歴史地区:カマグエイは、キューバ南東部にあるカマグエイ州の州都です。もともとはキューバの北岸に都市が多く建造されましたが、海賊の攻撃を受けることが多いため、都市を新たに内陸へと移転する必要がありました。

ここは16世紀にスペイン人によって建造された植民都市で、牛の飼育と砂糖産業で発展、19世紀まで経済的中心地でもありました。

歴史地区は、大小の広場、曲がりくねった路地など、不規則な都市区画になっているのが特徴です。 ここは植民者によって、新古典主義やアール・デコ、ネオ・コロニアルなど、中世以降のヨーロッパの建築様式が持ち込まれ、さまざま時代の建造物が並んでいます。

建築物はキューバ国内の素材を利用しているものの、土の利用法などはスペインのアンダルシア地方からの影響を受けていることが分かり、そして保存状態も良好とみなされています。
